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ソーシャルレンディング

ソーシャルレンディングのリスク

ソーシャルレンディングが、事件等を経ながらも少しずつ広まってきているようです。そこで、主なリスクに絞って考察します。

ソーシャルレンディングとは

ソーシャルレンディングとは、広く一般から資金を集め、そのお金を別の人に貸すシステムです。ソーシャルレンディング事業者が、お金を出す人と借りる人の仲介役を果たします。

借りた人が契約通りに返済すれば、それを原資にして資金提供者に分配されます。

従来、お金を貸す人は、銀行などでした。しかし、ソーシャルレンディングの登場により、一般の人が資金の貸し手になれる時代が来ました。

ソーシャルレンディングが登場したころは、一般の個人が別の個人にお金を貸すというシステムでした。しかし、この種類のソーシャルレンディングはいつの間にか姿を消しました。

今のソーシャルレンディングの主流は、「大勢の人からお金を集め、不動産業者や中小事業者等に貸し付ける」という方式です。

ソーシャルレンディングで期待できる利益の大きさ

このソーシャルレンディングで期待できる利回りは、年率3%から10%以上になります。預貯金金利等と比較すると、きわめて大きな数字です。

株式投資やFXなどで毎年10%稼ごうと思えば、上手に売買を繰り返す必要があるでしょう。しかし、ソーシャルレンディングの場合は、資金を出すだけでOKです。

資金を貸す期間は、数か月から最長でも2年くらいです。余裕資金で運用することを考えても、負担感が小さい貸付期間です。

よって、ちょっとしたことを契機にして、世の中に一気に広まる可能性があります。

ソーシャルレンディングのリスク

ここで、ソーシャルレンディングのリスク考察が必要です。「お金を貸すだけで年率10%をもらえるのは、どこかに大きな落とし穴があるのでは?」ということです。

そこで、ソーシャルレンディングのリスクを2つ検討します。

事業者のリスク

ソーシャルレンディングの事業者は、ここ数年でいくつも事件を起こしてきました。ポンジスキーム(自転車操業の詐欺)に近いのでは?と思えるような事件もあったようです。

残念ながら、事業者に大きな信頼を寄せるのは、まだ難しいのかもしれません。事業者の業界団体があるかどうかも、良く分からない状態です。

事業者の信頼性を、業者名だけで判断したいという場合は、SBIソーシャルレンディングで口座を作ることになるでしょう。

資金を借りた人が返済しないリスク

そしてもう一つの大きなリスクは、お金を借りた人が返済しないリスクです。これは、どれだけ審査を厳しくしてもゼロにできないリスクです。

そもそも、お金を出す私たちは、だれがお金を借りているのか知らせてもらえません。法律の運用により、事業者は借り手を特定できる情報を公開できないからです。

これが厳しいリスクです。

「誰が借りるか」は教えないけれど、お金を貸してくれない?年率10%にするから。でも、返済されないリスクもあるよ。

この条件でお金を出せと言われても…という状態です。

担保はあるけれど

そこで、不動産等を担保に取っている場合は、不動産の評価額の70%~80%あたりを上限にして貸し付ける例が多いです。

これならば、仮に返済が滞っても、その不動産を売却することによって資金を回収できると期待できます。誰がお金を借りているか、知る必要はありません。

ただし、その評価額が正直な数字かどうか、不明です。担保になる不動産の住所は公開されないからです(公開したら、借りる人の氏名等が分かってしまいます)。

担保を取って安全度を高めているといっても、結局、「そのソーシャルレンディング事業者は信頼に値するか」という問題に行き着きます。

リスク調査

この、事業者のリスクと借りる人のリスクを同時に調査したサイトはないかと調べたところ、ちょうどいいのがありました。「ソーシャルレンディングの貸し倒れ調査」です。

この記事を読んでから、いろいろ検索すると、事業者の信頼度と借りる人の信頼度について、大まかに分かる感じがします。

借り手のリスク

まず、お金を借りる人のリスクですが、利回りの数字(年率3%~10%超)と比較すれば、意外に大丈夫という感じがします。

貸し倒れや、返済が滞っている案件の割合を考えると、十分に分散して投資すれば、利益になると計算できます。ただし、信頼できる事業者で取引する場合、です。

大事件を起こすような会社だと、厳しいです。

事業者の信頼度

事業者がどれだけ信頼できるかというのは、判断が難しいです。しかし、先ほどのリンク先の記事で、興味深いヒントがありました。

「返済が滞っている案件について、滞っていると正直に公開しているかどうか」です。

上のリンク先の記事では、そのあたりをぼんやりと表現しています。単刀直入に書くのはマズいかもしれないと感じたのかもしれません。

返済完了予定日を過ぎているのに、返済済みとも何とも書いてない案件があります。その案件について検索すると、興味深いことが分かります。

その案件に資金を出していた人が、いろいろ情報を提供してくれているのです。「事業者から返済遅延の報告が届いた!」という感じで、その模様をブログで公開しています。

しかし、その事業者は、ホームページにその情報を掲載していない例があります。

すなわち、資金を出していない人がホームページを見ても、返済が滞っている案件が存在しないかのように見えてしまいます。個別案件をじっくりと調査して初めて、「あれ?この案件はおかしいな?」と気づくという具合です。

不都合な情報を提供しない事業者を信頼しなさい、と言われても、とても難しいです。

何か問題があった時に、誠実な対応をしてもらえないのでは?と不安を感じてしまいます。この業界では、そのような不安を感じさせるだけの事件が起きました。

ソーシャルレンディングで自分の資金を投入する場合、事業者が必要な資格を持っているかどうか、というチェックのほかに、「支払い遅延案件の状況について詳細に報告してくれているか」も確認したいです。

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