相場でよく言われるのは、「安値で買って高値で売れ」です。ならば、いくらまで下落したら安値と言えるか?を知らなければなりません。そこで、主な相場について、過去の安値を確認しました。
安値で買えれば、次は高値で売りです。
いつ売れば良いのかというのは、正直なところ難しいです。しかし、安値で買うことができれば、含み益にできるはずです。含み益をどこまで伸ばそうか?という話ですので、ぜいたくな悩みです。
日経平均株価の推移
最初に、相場の代表例として、日経平均株価を確認しましょう。安値で日経平均ETFを買えれば、値上がりと配当益の両方を同時に得られます。
株主優待が欲しい場合は、日経平均株価の推移と大きくズレてしまわないよう、数多くの銘柄を買います。
1980年以上の値動きの様子は、以下の通りです。
日経平均株価で安値だと言えるのは、1万円を下回る水準だと分かります。上のチャートでは、1980年代前半、2000年代前半、そして2010年前後に実現しています。
この記事を書いている時点で、日経平均株価は2万円を上回って推移しています。1万円を下回るときが再びやってくるのかどうか、わかりません。
しかし、1万円割れが実現したら、それは株の買い時の可能性があります。
不動産投資
不動産投資も、投資の王道の一つでしょう。ただし、高いスキルが必要ですし、比較的大きなお金が必要です。株式のように気軽な売買は難しいです。
不動産投資を考える場合、土地価格の上昇と、賃貸収入の2つの収益源があります。いずれも、土地や建物を必要とする人数が多ければ多いほど、価格は高くなるでしょう。
逆に、物件を借りたいという人が減れば、価格の低下に結びつきやすくなります。
本来は、不動産の長期価格推移があれば良いのですが、適切なインデックスを見つけられませんでした。そこで、今後の日本の人口推移を見ながら、不動産投資について考察します。
データは、国立社会保障・人口問題研究所からの引用です。将来の人口推計ですから、多少のブレはあるでしょう。しかし、日本の人口が減るというのは、だれの目にも明らかです。
毎年数十万人ペースで人口が減っている様子が分かります。すなわち、毎年数十万人分だけ、アパートやマンションが不要になります。
人口が減るとはいえ、東京都心部は、2020年代までは人口が増え続けるようです。すなわち、不動産投資でまだ旨味がありそうです。
しかし、これだけ一気に人口が減ってしまうと、一般的には、不動産価格や賃貸料の下落に結び付くと予想できます。日本で不動産投資をするのは、とても高いスキルが必要になると予想できます。
よって、この記事のお題「安値はどこか?」について、不動産の場合は底値が分からないということになります。
金(きん)
普段は大きな脚光を浴びることがない金(きん)ですが、毎日相場が動いています。そこで、金相場の推移を確認しましょう。下のグラフは、田中貴金属工業の小売価格推移です。
金価格の推移を見ますと、2000年前後に記録した1,000円台前半が安値だと分かります。これが実現するには、金価格が数分の1に下落するまで待つ必要があり、実際にそこまで下落するかどうか不明です。
しかし、歴史的に見た安値で買うという場合、1,000円台で買うのが候補になります。
米ドル/円
次に、為替を確認しましょう。米ドル/円です。下のチャートは、DMMFXからの引用です。
1990年からの月足チャートです。チャート内の白枠で囲った部分が、歴史的な安値です。90円未満の範囲にしました。この他場合、1995年、2010年~2011年くらいが買い時だったと分かります。
豪ドル/円
為替レートでもう一つ、豪ドル/円を確認しましょう。同じように、安値部分を白の四角で囲っています。
安値圏は55円~65円くらいです。この場合、1995年、2001年、2008年に買い場が来たことが分かります。20年間に買い場が3回来たというのは、今まで確認した中で、最も回数が多いです。
安値が実現した年
では、投資対象にかかわらず、安値が実現した年を確認しましょう。1990年以降です。
1999年 金
2000年 金
2001年 株式、金、豪ドル/円
2008年 株式、豪ドル/円
2009年 株式
2010年 株式、米ドル/円
2011年 株式、米ドル/円
こうしてみますと、2010年代初めまでは、安値になった投資対象がチラホラ出ていたことが分かります。しかし、2010年代前半以降は、高値で推移しています。
安値でないということは、景気が良いということでもあります。よって、安値の投資対象が見つからないのは、良いことだとも言えます。
しかし、景気は循環します。すなわち、いつの日か不景気が来ます。その時になって、価格が歴史的安値水準まで下落したら、買い時の可能性があります。