FXは、高いレバレッジで取引できます。しかし、日本の規制に不満だというユーザーは、少なくないようです。
すなわち、最大レバレッジ25倍の壁です。この25倍という数字ですが、アメリカやEU諸国と比べて、特に小さいというわけではありません。
また、安全性と利便性の両立を考えると、ちょうど良い数字かもしれません。
とはいえ、高レバレッジ取引が可能だと、資金効率が高くなるのも事実です。このため、ちょっと怪しい地域にあるFX業者(数百倍のレバレッジが可能)に手を伸ばしてしまう人がいるようです。
なお、レバレッジを高くしすぎると、強制ロスカットになる際に、借金に追い込まれることがあります。これは困った事態です。
そこで、「高レバレッジ」と「借金の可能性排除」を同時に実現する金融商品を、確認しましょう。ノックアウトオプションです。
ノックアウトオプション
この記事でノックアウトオプションを詳細に紹介しても良いのですが、既に記事がいくつもあります。そこで、外部ブログへのリンクを設定します。
また、下は、ノックアウトオプションの解説動画です(IG証券から引用)。
ノックアウトオプションを取引できるのは、日本ではIG証券だけです。貴重な会社ということになります。
なお、本来は、IG証券の解説ページにリンクを設定すべきかもしれません。しかし、どんな金融商品なのか、分かりづらい解説文です。
読者に取引してほしいと思っているか不明…と勘ぐってしまいそうな、分かりづらい構成です。
しかし、ツールとしては問題ありませんし、IG証券は金融庁に登録済みの合法な会社です。
予想ですが、本社はイギリスにあり、英語圏の人から見れば見やすいウェブサイトなのでしょう。日本人の嗜好に合わせずに、単に日本語訳してしまった…のかもしれません。
高レバレッジで取引可能
レバレッジと書くと、不正確かもしれません。といいますのは、レバレッジとはFXの用語であって、ノックアウトオプションの用語ではないからです。
しかし、資金効率の高さを端的に比較するには、レバレッジという単語が便利です。そこで、ここではレバレッジという単語を使います。
FXの場合
日本のFXの場合、最大レバレッジは25倍です。よって、米ドル円=105円の時に1万通貨買うと、必要証拠金は42,000円になります。
ただし、これでは、含み損になった時に簡単に強制ロスカットになってしまいます。そこで、いくらか証拠金を追加する必要があります。
例えば、20銭円高になっても強制ロスカットにならない、というトレードをしようと思えば、追加で2,000円を準備します。合計で44,000円です。
- 取引額:105円×10,000通貨=105万円
- 準備した資金:44,000円
- レバレッジ:24倍くらい
ノックアウトオプション
一方、ノックアウトオプションには、FXの必要証拠金に相当する制度がありません。必要なのは、オプション・プレミアム(手数料のようなもの)です。
米ドル円=105円の時に1万通貨買うと、通常時は200円くらいです。
あとは、20銭円高になっても強制ロスカットにならないよう、含み損に耐えるだけの金額(2,000円)を準備します。
- 取引額:105円×10,000通貨=105万円
- 準備した資金:2,200円
- レバレッジ:477倍くらい
米ドル円=105円で1万通貨買うという同じ取引なのに、FXとノックアウトオプションで、必要な金額が全然違います。
この数字を見ると、わざわざリスクを背負って海外FX業者で口座開設する必要はない、と分かります。
海外FX業者のリスク
少し話がそれますが、海外FX業者のリスクを簡潔に確認しましょう。海外FX業者とは、金融庁に登録していない海外FX業者のことです。
金融庁に登録していないので、日本に住んでいる人に対して営業するのは違法です。
- 日本の法律を守らない
- トラブルがあっても、日本の官庁等の支援を得づらい
- トラブル時の深い交渉は、当然のように外国語
日本の法律を守らない業者が、顧客資産の保全はバッチリですよ~と言ったところで、それを信頼するのは無理というものです。
日本という国家の法律を無視するくらいですから、個人を放置するのは超簡単です。
というわけで、合法なFX業者で取引しましょう。
借金にならない
稀にですが、FXで借金を作ったという話が出ることがあります。
高レバレッジで取引しているときに、相場の急変が重なると、残念ながら借金になる例があるようです。この借金ですが、悲惨です。
- トレードで損して、口座残高がゼロ円
- さらに、借金を背負う
少額の残高で少額の借金なら、笑って過ごせるかもしれません。しかし、大きな額になると、大変です。
FXの怖い一面です。
ところが、ノックアウトオプションの場合、トレードで損になることはあっても、借金になることはありません。なぜか?ですが、オプションのルールがそうなっているからです。
これは、FXにはない安心感です。
高レバレッジ派に有効
今までの解説をまとめますと、FXで高レバレッジ取引が大好きというユーザーにとって、ノックアウトオプションは有効です。
ノックアウトオプションで、FXよりも圧倒的に資金効率の高い取引ができます。
さらに、巨大なスリッページが出てFXなら借金になってしまう事態でも、ノックアウトオプションなら、決して借金になりません。
デメリット
では、ノックアウトオプションにデメリットはないのか?です。ここでは、2点挙げてみます。
取引期限
ノックアウトオプションは、オプション取引です。すなわち、ポジションを永続的に保有することはできません。最長で1年間です。
とはいえ、FXで高レバレッジ取引をしたいという人は、大半がスキャルピングかデイトレードをするでしょう。長期保有で高レバレッジをすると、簡単にロスカットになってしまうからです。
よって、この取引期限は、デメリットにはならないかもしれません。
スプレッド
スプレッドの方が、デメリットとして認識しやすいかもしれません。
例えば、IG証券の通常のFXですと、米ドル円のスプレッドは0.2銭です。しかし、ノックアウトオプションですと、0.6銭です(いずれも、2019年12月9日現在)。
ノックアウトオプションの方が、0.4銭だけスプレッドが広いです。これをどう判断するか?です。
まとめ
ノックアウトオプションのメリットとデメリットをまとめると、以下の通りです。
- 海外FX業者に負けない資金効率
- 借金にならない
- スプレッドが少し広い
上2つは、とても大きなメリットです。そして、一番下は、人によっては無視できますし、別の人にとっては、無視できないデメリットです。
少なくとも、この3点を考慮しながら、ノックアウトオプションで取引するかどうかを決めることになるでしょう。
ちなみに、海外FX業者を使うのは、やめるのが安全です。リスクが高くて、メリットと釣り合いません。