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FXで損する個人投資家は、本当に9割もいるのか

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一つ前に投稿した記事で、FXをしている個人投資家の9割が負けているという趣旨を書きました(下のリンクです)。

FXで損する個人投資家は、全体の何%か

筆者は、相場の世界を深く見てきました。その結果、FXで負ける個人投資家は、全体の9割くらいだと確信しています。 そして、残りの1割についても、何とかプラスになっているという人が大半です。本当に勝ってい ...

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9割も負けているという数字の根拠は?

しかし、具体的に9割と書いているものの、「根拠は?」と聞かれると困ります。ウェブサイトを見ると、9割という数字はあちこちで見つかるのですが、根拠がなければ信頼度が低いです。

そこで、「本当はどれくらいの人が損するのか」を求めて、ウェブサイト巡りをしました。

金融庁ホームページ

こういった公的なデータは金融庁が強いでしょう!というわけで、金融庁ホームページを閲覧しました。この種のデータは公開済みかもしれません。しかし、見つかりません。

検索の仕方が悪いのかもしれませんが、とりあえず見つからなかったということで、次に行きました。

金融先物取引業協会

金融先物取引業協会は、FX業者の業界団体です。自主規制をしたり、一般国民向けに広報などをしています。FXに関する情報が充実しているのが特徴です。

しかし、顧客のうち損しているのは何%か、という数字については、公表していないように見えます。

アンケートをとって、それを元に公開しているのみに見えます。

くりっく365

くりっく365は、FX取引所です。公的な性質を持っており、透明性が極めて高いことが特徴です。このため、情報公開も充実しています。

そのくりっく365でも、顧客の損益状況は不明でした。顧客管理はくりっく365の仕事でなく、各FX業者の仕事です。このため、くりっく365は、顧客の損益データを持っていないのかもしれません。

海外サイトを調査

以上の通り、国内で顧客損益データを持っていそうな機関を調査したところ、公開データはなさそうです(本当はあるかもしれませんが)。

そこで、日本のウェブサイトで情報を探すのをあきらめて、海外のデータを探すことにしました。海外のデータを探す際も、やはり信頼度が重要です。

そこで、外国の金融庁に相当する公的機関を検索しました。

AMF(フランス)の報告書

探し回ったところ、フランス金融市場庁(AMF)の報告書が見つかりました。全7ページの簡潔な報告書ですが、これが使えそうです。今回は、ここで公開されているデータを概観します。

報告書タイトル:フランスにおける、個人投資家のCFDとFXの投資成績(Study of investment performance of individuals trading in CFDs and forex in France)

これが欲しかった!という感じの、ズバリと本質をついていそうなタイトルです。

フランス金融市場庁がこの報告書を作った理由が、最初に書いてあります。「CFDやFXで大損になった人のクレームが多いから、個人投資家の成績がどうなっているのか調べることにした」という趣旨が書いてあります。

大損になって困った!というのは、日本だけでなく世界中で発生しているように見えます。

そして、その次に、調査結果が4行で書いてあります。7ページも英語を読まなくてもOK。翻訳しますと、以下の通りです。

  • 損した顧客の割合は、89%を超える
  • 顧客一人当たりの損失額は、10,887ユーロ
  • 損失額の中央値は1,843ユーロ
  • 合計損失額は、161,115,493ユーロ

なお、調査期間は、2009年~2012年の4年間です(ただし、2009年のデータがない業者については、2010年~2013年の4年間)。

金融市場庁がFX業者のデータを直接分析していますから、データの信頼度は抜群です。しかも、調査期間は4年間です。信頼度はとても高いです。

4年間で、顧客が損した平均は1万ユーロを超えているのに、中央値は1,800ユーロです。これはすなわち、とんでもない額を負けてしまった人がいるのでしょう。

少数の巨大な負けが影響して、平均の負け額が1万ユーロを超えています。

損した顧客の割合は、89%超

そして、最も欲しかった数字がズバリと書いてあります。損した顧客の割合は89%を超えています。すなわち、9割です。

ウェブサイトで一般的に書かれている数字である9割というのは、正しかったといえそうです。

損益分布

また、顧客の損益分布のグラフを確認しましょう。AMFレポートからの引用です。

AMFのレポート

読み方を確認しましょう。横軸は、一人当たりの損失額です。縦軸ですが、その損失額を計上した人の損失額合計です。

まず気づくのは、下方向に伸びた棒グラフがやたらと長く、上方向に伸びている棒グラフが極端に短いことです。要するに、負ける人が極端に多くて、勝つときは少しだけ勝つということなのでしょう。

損失額と利益額のバランスがおかしい

グラフの一番左を見ますと、「5万ユーロ以上負けた人の損失額を合計すると、1億ユーロを超える」と書いてあります。巨額すぎて、頭が痛い…。

一方、グラフの一番右を見ますと、25,000ユーロ以上稼いだ人の合計額は、1,000万ユーロです。優秀なトレーダーです。素晴らしい。

しかし・・・5万ユーロ以上負けた人の合計額が1億ユーロ、そして、2.5万ユーロ以上勝った人の合計額が1千万ユーロ。桁が一つ違いますね…。

FXは、通貨と通貨の交換です。ということは、損した人の額と利益になった人の額は、だいたい同じになるはず。しかし、グラフを見ると、損失額の方が圧倒的に大きく見えます。

具体的な額を書きますと、こんな感じです。

  • 利益になった人の合計額:1,380万ユーロ
  • 損失になった人の合計額:1億6,100万ユーロ

全然数字が合いません。おかしいです。

どういうこと?という感じですが、調査対象が個人に限定されているのが原因なのでは?と思います。要するに、機関投資家が稼いでいて、個人が損しているという構図です。

この予想が正しいかどうかは不明ですが、個人投資家の9割が負けるというのは事実だろうと分かりました。

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